以前も症例報告については記載したことがあるんですが、来月から学生さんが実習に来られることもあり、症例報告を作成するうえでの手順について再度記載してみたいと思います。
ステップ① スタートダッシュで文字数を稼げ
慣れてないうちは、はじめに色々考えすぎては上手くいきません。評価した検査結果や患者さんの普段の様子(時系列でまとめたもの)など文字におこしましょう。文字数が1500でも800-1000でも500ちょっとでも、はじめは2000文字を少し超えるくらいの文章を作りましょう。
”余談”学校の先輩が過去に作成したものを参考にできると、スタートが楽かもしれません。データを持っている先輩や同級生にお願いしてもらえるとよいですね。
ステップ② 症例報告の ”型” にはめていく
症例報告の一般的な流れは、はじめに→症例紹介→評価、検査結果→介入(プログラム)→結果→考察(統合と解釈)→まとめ(課題)。①で作った文章を、各項目にあてはめてみます。項目によっては情報が少なすぎる場合があるので、足しながらできると良いです。
ステップ③ 考察の ”柱” と ”方向性” を決める
指導者に相談をしながら進めていくのがはじめはおすすめです。経験のない指導者の特徴としては、考察(統合と解釈)の指導が難しいことが多いです。相談しても「キミ(学生さん)はどうしたいの?」「何が一番伝えたいの?」系の問いが返ってきたら、その傾向がありますので注意が必要です。
”余談”もし作成した症例報告を学会に出してみることを目標としていたりするときは、学会の方向性に寄せたり、離したり「距離感」が大切になってきますし、運営側からしても査読のしやすさに関係してきます。
ステップ④ 考察をどんどん膨らます
考察の文章を増やしてください。ステップ①同様、考えすぎて手が止まってしまうと良くないです。指導者に意見はもらいつつ、考察を”削る”作業は避けて”膨らます”ことに注力しましょう。削る作業は、後からでも出来ます。
ステップ⑤ 森をみて、木をみる
この時点でレジュメの文字数が規定の文字数を150~200%ほど超過しているくらいだと丁度良いかと思います。そこからレジュメ全体と各項目の文字数を調整していく際のポイントは、レジュメ全体を”森”、各項目を”木”と考えて、”起承転結”にあてはめていくことをオススメしています。
”起承転結を”レジュメ全体と各項目(「はじめに」や「初期評価」etc)にあてはめていくのです。そうするとまとまりのある文章になっていくと思います。
以上、ステップ①~⑤までを参考にして症例報告を作成してみてください。
考えをまとめる作業や、それを人の前でアウトプットする経験は大変に貴重です。思考を吟味・整理する作業ができることはその後の人生にも約にたつことがあると思います。
参考にね~
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